友日Ⅶ
「最近、夢の国の国民たちが現実に行き来できるようになっているんだ。」
今日も朝、夢と現実の間の部屋に来て、みんなで話していた。
今日までに分かったことはというと・・・
・ジャスティスは王を暗殺しようとしている者、王の意見に反論するものを取り締まるためにいる。
・最近は、ある洞窟にある、夢と現実の間の部屋つなぐ地盤がゆるみ、夢の国から許可を得ていない者が勝手に現実に行ってしまうことに王は困っていた。
・ジャスティス達は、夢と現実の間の部屋を拠点として夢の国だけでなく、現実でも規則を破った夢の国の国民を取り締まった。
ということだ。
夢の国では王を中心とした社会らしい。すべてを王が支配していて、国民が苦しい思いをしていることも分かった。
「そういえば・・・。」
思わず声に出していってしまったので『なんでもない』と首を横にふる。
あの、夢の咲千絵ちゃんも苦しい生活をしているのだろうか。
美人な女の子だけど『きれい』とはとても言えない格好、そして痩せ細った体の咲千絵ちゃんが目に焼き付いていた。
「そういえば・・・。」
もうっ!また言ってしまった。私はまた、首を横にふる。
つばき先輩が『私たちはジャスティスの味方をしてはいけない』みたいなこと言ってたよね!?
「ねぇ、いったいどうしたの?」
りりちゃんの言葉に我に返る。目の前にいるみんなは心配そうな顔をしていた。
「あっ、ごめん。なんでもないから。」
「本当に?」
「うん。」
かざむ先輩はしつこく聞いてきたが私が答えると、スッと立ち上がり、ジャンプして消えていった。
「よし、私たちも帰ろ。里菜ちゃん、また部活の時に会おうね。バイバ~イ。」
桃花先輩も消えていった。
私も帰ろう!
その時・・・。
「ここどこなん?」
「俺らの世界と人間界の間にある部屋らしいで。」
関西弁の子供の声がした。
るな、13歳
ルナ13歳になりました!!
まだまだ元気です。
友日Ⅵ
「行ってきまーす!」
いつものように元気に家を飛び出していき、商店街を歩く。
実は私の家、もとは、お父さんがやっていた店の2階なんだ。
1階は普通のくだものやさん。でも2階は、壁に穴が開いているようなボロボロの家だ。
商店街をぬけて、まっすぐ進むと学校がある。
そして、いつもの商店街をぬけると、通学用のカバンを両手で持ち、私と同じ中学の制服を着た、真っ黒な髪の女の子が歩いていた。
これは・・・。
「つばき先輩、おはようございます。」
振り返った女の子はやはり、つばき先輩だった。
「先輩もこの辺に家あるんですか?」
「まぁね。」
先輩は短く答えると、また歩き出す。
私は急ぎ足で追いつく。
「先輩って、ここに引っ越してきたんですよね?」
あぁー、こんなことより、もっと聞きたいことがあるのに言えない。
「うん、あなたたちが入学してくる頃人にね。」
ってことは、3か月ほど前・・・ってそんなこと考えてる場合じゃない。夢のことを聞かなくちゃ。
「変な夢見たんですよね~。先輩と咲千絵ちゃんって子が出てきたんですよ。」
先輩が私の顔をチラッと見てきた。
「その咲千絵ちゃんのね、お姉ちゃんがつばき先輩なんだって。
先輩の足が止まったので、私も足を止めた。
「咲千絵ちゃんが私のパワーは見せてはいけないって。ジャスティスには・・・。」
先輩と目があった。今までいつもうつむいている先輩とは目があったことなどなく、その目が澄んでいて、咲千絵ちゃんと似ていることに気が付いた。
「そうよ。里菜ちゃんのパワーはジャスティスにはきずかれてはいけない。だから、いち早く自分できずかなくてはいけない。私たちはジャスティスの味方をしてはいけないのだから。夢のことはみんなに絶対言わないで。」
つばき先輩はそう言うと走って行ってしまった。
私は疑問に思いながらもゆっくり歩き始めたのだった。
もしよければ、ご意見・ご感想をお聞かせください。
ラブ❤
めっちゃかわいい~❤
注意:どちらもメスです。
(私には❤ないけど)ラブ特集でした!!
友日 Ⅴ
友日、わかりにくいのでタイトルに番号を付けました。ちょっとわかりやすくなったかな?
では、友日Ⅴ書きたいと思います。
「里菜・・・。里菜ちゃ・・・。里菜ちゃん!」
前に夢に出てきた美少女が私を呼んでいた。その美少女は前にあった時と同じ、土のような色の洋服、それに、体中に泥がついていて、おせじでも『きれいな格好』と言えないほどの粗末な姿をしていた。
そんな美少女の横にはフードをかぶった女の子・・・。
つばき先輩!!
「知ってるでしょ。お姉さまのこと。」
お姉さま?
「あなたのお姉ちゃんがつばき先輩?」
「もぉー『あなた』じゃなくて咲千絵よ。」
咲千絵ちゃんが頬をふくらませる。
「いったいどういうことー!?」
私はもう、意味が分からなくなっていた。
理解できるのは、これが夢だということだけ。
「まぁ、また今度話すね。いまやっとこの夢の国に連れてきたのにもうすぐ里菜ちゃん、目が覚めてしまいそうだから。」
そう言うと、咲千絵ちゃんが真面目な顔になって、
「1つ言っておくけど、里菜ちゃんはジャスティスにパワーを見せないで。ジャスティスとは、て・・・。」
と言ったけど、そこで夢が途切れてしまった。
友日 Ⅳ
目をそーっとあけると、目の前にはりりちゃんとなんと先輩たちが!
先輩たちはソファーでおっさんみたいな座り方で、女子はクッションを抱いてくつろいでいた。
「こ、ここは・・・。」
何で飛び降りたはずなのにこんなところにいるの?
「ここは夢と現実の間の部屋・・・。」
暗い先輩のつばき先輩がつぶやく。
「そう、ここから飛び降りるとなぜかこの部屋に来るの。」
りりちゃん、にこにこしながら言わないで。
「私、こんな現実味のないもの信じられないよ。」
「でも、月宮も体験しただろ。それなのに信じられねーの?」
生徒会のかざむ先輩まで・・・。
「まぁまぁ、そんなことより里菜ちゃんのパワーが知りたいわ。」
パ、パワー!?なにそれ。優しそうな桃花先輩の目が興味津々なんだけど・・・。
「パワーなんていずれか姿を現すさ。それより、オレ達がどんなヤツか教えてあげないと」
かざむ先輩の次に人気の東先輩がニヤニヤしながら言った。
なんなの?本当は悪いヤツとか?
「あのね、私たちジャスティスなの。」
え?ジャスティスってたしか英語で『正義』って意味だったような・・・。
りりちゃんが話を続ける。
「もとは私達は夢の中で王様を悪いヤツから守っていたの。でも、あることのせいで現実でもジャスティスになることになった。」
夢の中で戦ってたの?
「そして、昨日つばきちゃんが『里菜ちゃんにはパワーがある』って言ってたから、ためしにこの部屋に連れてきたの。」
桃花先輩が言った。
「すると、普通の人ならここに来たら眠ってしまうのに、月宮は眠らなかった。=パワーがあるということ。」
かざむ先輩が真顔で言うのに吹き出してしまいそうになるのを抑える。
「あっ、ヤベ!もう教室帰んないと。じゃあ、また放課後集まろうぜ。誰にもきずかれないように来いよ。」
東先輩がジャンプした。すると、消えていったのだ。
「里菜ちゃんも。」
りりちゃんに言われて私もジャンプすると屋上の風景が広がっていたのだった。