友日Ⅶ
「最近、夢の国の国民たちが現実に行き来できるようになっているんだ。」
今日も朝、夢と現実の間の部屋に来て、みんなで話していた。
今日までに分かったことはというと・・・
・ジャスティスは王を暗殺しようとしている者、王の意見に反論するものを取り締まるためにいる。
・最近は、ある洞窟にある、夢と現実の間の部屋つなぐ地盤がゆるみ、夢の国から許可を得ていない者が勝手に現実に行ってしまうことに王は困っていた。
・ジャスティス達は、夢と現実の間の部屋を拠点として夢の国だけでなく、現実でも規則を破った夢の国の国民を取り締まった。
ということだ。
夢の国では王を中心とした社会らしい。すべてを王が支配していて、国民が苦しい思いをしていることも分かった。
「そういえば・・・。」
思わず声に出していってしまったので『なんでもない』と首を横にふる。
あの、夢の咲千絵ちゃんも苦しい生活をしているのだろうか。
美人な女の子だけど『きれい』とはとても言えない格好、そして痩せ細った体の咲千絵ちゃんが目に焼き付いていた。
「そういえば・・・。」
もうっ!また言ってしまった。私はまた、首を横にふる。
つばき先輩が『私たちはジャスティスの味方をしてはいけない』みたいなこと言ってたよね!?
「ねぇ、いったいどうしたの?」
りりちゃんの言葉に我に返る。目の前にいるみんなは心配そうな顔をしていた。
「あっ、ごめん。なんでもないから。」
「本当に?」
「うん。」
かざむ先輩はしつこく聞いてきたが私が答えると、スッと立ち上がり、ジャンプして消えていった。
「よし、私たちも帰ろ。里菜ちゃん、また部活の時に会おうね。バイバ~イ。」
桃花先輩も消えていった。
私も帰ろう!
その時・・・。
「ここどこなん?」
「俺らの世界と人間界の間にある部屋らしいで。」
関西弁の子供の声がした。