友日 Ⅳ
目をそーっとあけると、目の前にはりりちゃんとなんと先輩たちが!
先輩たちはソファーでおっさんみたいな座り方で、女子はクッションを抱いてくつろいでいた。
「こ、ここは・・・。」
何で飛び降りたはずなのにこんなところにいるの?
「ここは夢と現実の間の部屋・・・。」
暗い先輩のつばき先輩がつぶやく。
「そう、ここから飛び降りるとなぜかこの部屋に来るの。」
りりちゃん、にこにこしながら言わないで。
「私、こんな現実味のないもの信じられないよ。」
「でも、月宮も体験しただろ。それなのに信じられねーの?」
生徒会のかざむ先輩まで・・・。
「まぁまぁ、そんなことより里菜ちゃんのパワーが知りたいわ。」
パ、パワー!?なにそれ。優しそうな桃花先輩の目が興味津々なんだけど・・・。
「パワーなんていずれか姿を現すさ。それより、オレ達がどんなヤツか教えてあげないと」
かざむ先輩の次に人気の東先輩がニヤニヤしながら言った。
なんなの?本当は悪いヤツとか?
「あのね、私たちジャスティスなの。」
え?ジャスティスってたしか英語で『正義』って意味だったような・・・。
りりちゃんが話を続ける。
「もとは私達は夢の中で王様を悪いヤツから守っていたの。でも、あることのせいで現実でもジャスティスになることになった。」
夢の中で戦ってたの?
「そして、昨日つばきちゃんが『里菜ちゃんにはパワーがある』って言ってたから、ためしにこの部屋に連れてきたの。」
桃花先輩が言った。
「すると、普通の人ならここに来たら眠ってしまうのに、月宮は眠らなかった。=パワーがあるということ。」
かざむ先輩が真顔で言うのに吹き出してしまいそうになるのを抑える。
「あっ、ヤベ!もう教室帰んないと。じゃあ、また放課後集まろうぜ。誰にもきずかれないように来いよ。」
東先輩がジャンプした。すると、消えていったのだ。
「里菜ちゃんも。」
りりちゃんに言われて私もジャンプすると屋上の風景が広がっていたのだった。