また、友日(つづきです) Ⅲ
それにしても、この1年生の校舎はボロイ。ほかの学年と違って1年生の校舎はずっと前から建て替えられていない木造校舎で、何年後かに取り壊されることが決まっている。トイレは和式だから、わざわざ新しい校舎のトイレに行く人もいる。私はいつの間にか『幽霊がいる校舎』と呼ばれているこの校舎が好き。なんだか味があっていいんだ。
だけど、図工室や音楽室、図書室などが離れているのが少し不便だ。
木造校舎の2階まで来た。2階は3組だけしかないからあまり来ない。
っていうか、何でりりちゃんに呼ばれたんだろう。
りりちゃんといったら、明るくて優しくて人気者!私みたいに目立たない存在とは正反対。
「失礼します。りりちゃんいますか?」
1年3組につくと、か細い声でりりちゃんを呼ぶ。
「あっ、ごめん。呼び出しちゃって。」
りりちゃんは教室から出ると『こっちこっち』と手招きをする。
そしてついたのが・・・
「はい、ここから飛び降りて。」
この木造校舎の屋上!
「へっ?ここから飛び降りるって・・・。」
死んじゃうじゃん。
そんなことを考えていると、
「きゃー!!」
背中を『ドン!』と押されて落下!
『人気者・りりちゃん』の素顔って『人殺し・りりちゃん』!?